ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番収集記R

様々なピアニストによるラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」の録音を収集。聴き込んだ上で、独自の基準により採点、ランキングし、それを公開するサイトです

5位:マツーエフ(旧録)

f:id:GYOPI:20160927035259j:plain:rightデニス・マツーエフのソロ、サッカーニ指揮。ブダペストフィルハーモニー管弦楽団の自主制作版。音質は、デジタル録音にしては、期待に反してかなり悪いです。ややこもった、モヤモヤ録音。もう、これが唯一の不満。

ということで、なんといっても演奏は文句無し。堂々の5位入賞。なにしろ、テクニック抜群、キリッと締まってて、熱気も抜群、大迫力で最高にカッコイイ。1楽章、当然大カデンツァなんですが、まずここがずごい。

前半、速めのテンポ・大音響で切迫感を醸し出し、後半は一転、厚みのある和音を目いっぱい響かせ、かつ、じわじわスピードアップ。この加速感が絶妙で、「なんてカッコイイんだ!」と一瞬で虜になりました。数ある録音の中でも、大カデンツァとして、ナンバーワンといっていい出来。

さらに2楽章もスゴイです。なんと、あれだけ「力」で押して来たのに、ここではものすごい美しい音色を出します。マツーエフといえば、バリバリ弾きまくる印象ですが、こんな引き出しも持っていました。

そして3楽章。当然に、とにかく再び激しい演奏で、そのまま最後まで一気に突き進みます。上位3枚を見てみると、個性強すぎるケルダー&バルト、モノラルで小カデンツァのボレットのとくらべ、バランス(といっても、こちらも十分個性的ですが)ならマツーエフでしょうか。聴けば聴くほど”はまる”、「迫力」と「カッコよさ」の両立する理想的演奏です。